■バリアフリー講演会■

「わかりやすい・読みやすい記事の書き方」

― 読み手を引きつけるポイント ―

町内会や自治会・ボランティア活動などさまざまな地域活動にかかわる方々にとって、活動の内容を説明したり、イベントの開催をお知らせしたりするために「記事を書く」という作業は必ず必要になってきます。一人でも多くの人たちに自分の書いた記事が読んでいただけるよう、また内容を分かりやすくするために、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は地域に密着した情報満載の「タウンニュース(都筑区版)」編集長の磯村達也氏をお招きして、お知らせやチラシ・HPコンテンツなど、身近な情報を提供する記事の書き方についてお話しいただき、プロのコツを学ぶことで、障害のある方・高齢者など誰にでもわかりやすい情報の提供に関わるみなさまのスキルアップに役立ててもらうこととしました。

概要

会場の都合で、多数の方の申し込みをお断りさせていただきましたが、ここに、磯村氏の講演会資料の掲載を快諾いただきましたので報告いたします。これからの地域活動に活かしていただければ幸いです。

講演会資料

あおばバリアフリーサロン(MovableType版): 「わかりやすい・読みやすい記事の書き方」講演会の報告

写真1
講師の磯村氏

講演の内容―ポイント―

ここから先は、重要なポイントと思われる内容をまとめ書きしています。

「良い記事」とは

資料3ページ

記事例その1.のタイトルは「境内の大木が現代彫刻作品に―4月2日落慶法要で」。その2.のタイトルは「彫刻として蘇る杉の大木―寺の再建で切り倒された木を田辺光彰さんが作品化」となっており、1はお寺の立場からのお知らせ的タイトル名である。それに対して2は彫刻の視点に立ったタイトル名になっており、読み手の興味を惹きやすい。また記事内容を見ると、タイトルに沿っている記事の部分が冒頭から始まっているのとそうでない場合では、読んだ時の満足度が違う。せっかタイトルで興味を惹かれても、その「どういうこと?」という疑問に答えてくれる内容がすぐに飛び込んでこなければ満足感が得られにくくなる。

タイトルも記事内容も「分かりやすい」記事が「良い記事」という訳だ。お知らせではなく、ニュースとしての価値を重視した書き方を心がけよう。その際「希少性」の高い方が価値が高いということになる。

写真2
青葉社協会場入口

「読みやすい記事」のつくりかた

資料5ページ

記事の基本は「5W1H」。Who(誰が)、What(何が)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)。この5つを押さえておくと、分かりやすい・読みやすい記事となる。

また、ニュースの内容としては「全体のあらすじ」からだんだんと「細部/詳細」の説明へと移していき、優先順位を整理した書き方を心がけよう。資料の例では「2.全体‐大」「1.細部‐大」「4.全体−小」「3.細部‐小」の順が正解だ。

写真3
ABS21代表三竹氏

タイトルのつけ方

資料7ページ

タイトルは、記事の内容を圧縮したものであり、内容にないものは使えない。その記事の核となるものは何か?をポイントとして押さえよう。タイトルで興味を惹きつけておきながら、その好奇心を満たしてくれる回答となる内容が記事の文章中になければ、それは内容を的確に表しているタイトルとは言えない。また、興味を惹こうとするあまり、取材先の相手を傷つけるようなことにならないよう気をつけよう。この記事で何を言いたいのか?それが重要だ。

写真4
講師の磯村氏

惹きつける写真を撮る

資料9ページ

記事に添える写真も、やはり記事の内容やテーマに合っているものが求められる。その際、伝えたいことを明確にし、主人公となる存在を最も大きく、その他は背景とするのが基本となる。あまり情報量が多くなり過ぎてテーマがぼやけないようにしたい。その際にできれば動きのある写真が臨場感が出て良いだろう。

個人情報保護法が施行され、プライバシーに過敏な時代であることを踏まえて写真を撮る際にも配慮が必要となる。人物が入る際には充分に気を付けておきたい。事前に被写体の許可を得るようにしよう。撮影者の身元・撮影の意図を充分に説明することが必要である。

写真5
定員をオーバーするほどの参加者

何のために書くのか ― テーマを見つける ―

資料11ページ

記事の内容を圧縮した適切なタイトルと文章があっても、何が言いたいのか意図が伝わらないようでは、良い記事とは言えない。ありのままに書くだけではなく、自分の興味のある角度からテーマを見つけてまとめてみると良い。

写真6
カメラの構え方を指導する磯村氏

読みたくなる記事

資料12ページ

その記事を読むかどうかを判断する基準として、一目見て大まかに内容が理解できる、ということが言える。全体に平坦な表現ではざっと見ただけで興味を惹くのは難しい。文字のフォントを選んだり、ポイントとなる見出しを目立つように段替えするなど、メリハリのある表現について工夫しよう。

写真7
写真構図の講義

基本はコミュニケーション 〜まとめ

資料14ページ

書き手と読み手の認識のズレが“不満”を生む場合がある。タイトルと記事の意図が微妙にズレていたり、認識の相違から反感を買ってしまう。また、書き手と取材先の意図がズレないようにも充分気をつけよう。伝える側からだけでなく、読み手側の観点に立って記事を見直してみることも重要である。何かを伝えたいという意欲と理解したいという欲求が一致したときに良い記事が生まれるだろう。

以上です。みなさまの参考になれば幸いです。

写真8
活発な質疑応答

このページの先頭へ戻る講演会・公開講座・講習会の目次へ戻るホームページへ戻る