−2003年度活動報告−
V.講演会の部

担当:三竹

日時:平成15年9月6日(土)14:00〜15:45
場所:青葉区役所別館 2階 社協会議室
主催:青葉バリアフリーサポート21(ABS21)&青葉区社会福祉協議会
参加者合計: 49名(内、会員&塾生19名)


講演雑感(文責:鶴巻):    
 切れ味よく、明快で、具体的な事例に即した素晴らしい講演でした。
 川内先生は、ご自分の経験を通して、街、特に駅のバリアフリー化の歩みと、ユニバーサルデザインの現状と課題について話されました。

 リフトがついた駅の階段での出来事と、その問題点の指摘は、それを実際利用しておられる先生でなければ気がつかない視点からのものでした。さらに、「車椅子の利用者」ということでセレクトされ、一般の人と区別され、常に特別扱いされ、しかも、やはりエレベーターの設置位置やその仕様において、いわば陰に追いやられる形でしか駅を利用できないことに怒りつつ、日々の生活の中では、そういう現実もまた受容し、日々駅を利用しておられるという思いがよく伝わってきました。そういうご自分の体験をもとに、建築家として、ユニバーサルデザイナーとして、街のバリアフリー化に資するユニバーサルデザインとは何かを、一生懸命考えておられる。

 誰もが簡単に利用できる、便利なまちのデザイン、建物のデザイン、駅のデザインとは何か。お年寄り、手の不自由な人、足の不自由な人、あるいは聴覚や言葉を話すのが不自由な人、目の不自由な人、さらに妊娠中の女性や乳幼児を連れた人、子供、そして特に障害のない多くの成人。そういった、街に住んでいる人すべてが便利に快適に使える駅を造ろうとすると、これは結構大変なことだともおっしゃっていました。

 最後に、「ユニバーサルデザインが目的ではない」という話も印象的でした。確かに、目的は、街に住む人々が、快適に、便利に駅や種々の施設を利用できることであって、時代の流れとともに変化していくユニバーサルデザインという考え方そのものを目的にするのではないということは、的確な認識だと思いました。 先生がスライドを利用して話しておられることを忘れるほど、目の不自由な私の想像力にフィットした話は実にお見事でした。

講演会の部のページは終わりです。

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