街に「心のバリアフリー」を広めよう
青葉バリアフリーサポート21(ABS21)代表
横浜市市民活動支援センター運営協議会委員
三竹眞知子
ABS21は、青葉区及びその周辺地域で、障害の有無を問わず安心して暮らせる街づくりを進めようと、青葉区社協との共催で、障害のある人やシニアスタッフ20名がアクセシビリティに配慮したホームページ(※1)の運営・管理・制作に取り組んでいます。
2000年秋から制作を始めた「あおばバリアフリーマップ」(※2)は、車いすやT字杖、白杖のスタッフが街を歩いて、コツコツと取材した情報を掲載しています。バリアフリーというと車いす利用者の情報と捉えられがちですが、実際歩いてみると杖の人には不都合な所もあり、説明文を充実することにしました。多目的トイレも視覚障害の人には配慮されていません。洗浄方法を例にとると、レバーや紐、床のボタン、センサー、自動洗浄など。さらに、設置位置に規則性がないため使い勝手が悪く、高齢者や子どもにも不便です。
青葉区は地形的にバリアが多く、解消は難しいため、人の心のバリアフリーを広めようということになりました。知らないからふれあえない、だからお互いを知る機会を作ろう。相手を理解すれば共感でき、何かしてあげられる。「ハードがだめでもハートがあれば何とかなりそう!」マップ制作を通して、街の人々とのコミュニケーションも増えてきました。
活動を通して、障害のある人たちが目的を持って社会に働きかけ、障害経験が地域社会に役立つことを知り、生きがいにつながり、趣味の世界や自治会活動などに広がってきました。今年、青葉台地区福祉のまちづくり重点推進地区準備会が発足し、街の人々と一緒に福祉の目で見るまち歩きを予定。すでに取材協力店舗が名乗り上げてくれています。
誰もが障害を持つことになる超高齢社会を控え、ノーマライゼーションを遂行していくためのキーワードは、「心のバリアフリー」なのではないでしょうか。