演題:「突然の別れと悲しみから再生〜新しい『きずな』の構築を目指して」
日時:2011年11月26日(土) 15:00〜16:30
場所:青葉区福祉保健活動拠点ふれあい青葉2階
多目的研修室
主催:青葉バリアフリーサポート21(ABS21)
青葉区社会福祉協議会
国際基督教大学卒業。 |
今から11年前に世田谷一家殺人事件がありました。
入江杏さんが事件の発見から今日までの過酷な遭遇体験を説明されました。入江さんにとっては、被害者は隣家に住む実の妹家族4人でした。仲が良かった姉妹関係の上に、双方家族付き合いを通して幸せなごく平凡な生活でした。その妹一家が無残にも事件に巻き込まれ、入江家の家族と引き裂かれました。壁一つ隔てた二世帯住宅に住むが故に、何故代わってやれなかったのかと自責の念を抱きつつ、残された思い出に浸り、心ない人たちの言動に傷つき思案に暮れたこともありました。しかし、亡くなった人たちの志をくみ、魂胆嘆きから再生に向かいたいと思いつつおりました。
何時か転機が訪れました。時間が解決してくれたようです。
それは姪(小学生)が生前学校で描いた「お絵書き」1枚の意味に気づいた時です。この絵が再起の転機を与えてくれたのです。
広い草原に一杯の花と羊の群れ、そして、スーホーと白い馬が描かれていました。馬の側に立っている女の子は、最後に見た姪の姿にそっくりでした。白馬は死ぬ寸前、自分の死体を使って楽器を作るようにスーホーに言い残しました。そうして出来たのが馬頭琴だったというモンゴルの民話にちなんでいたのです。小学生の姪がこれ程までに人の心を動かすに値する絵を残したことに感動しました。その描写は生きる心の健やかさに向かっているように思えました。
入江さんは、この絵は、叔母家族に対する励ましとこれからの生きる勇気を訴えていると直感したそうです。このことにより入江さんの思索が深まり、今日の姿があります。全国を飛び周り、溺れていた心の状態から生き甲斐をいかに見つけたかを伝えてくれました。そして、当事者が声を発することができ、命を守る社会、そして共感と優しさが満ちた社会を築くことが如何に大事かを話されました。
入江さんは昨年一月に最愛の夫を亡くし、今秋には、実母も喪いました。今は成人した息子と二人になってしまいました。この悲しみを乗り越えるためにも、突然、愛しい人たちを喪った多くの人たちへのグリーフ・ケアの仕事を精力的にこなしています。今後の活躍を期待して私の感想文とします。
感想記:中島 允
@人からの情報 | (9名) |
A地区センターなどのちらし | (0名) |
B青葉区区報 | (0名) |
CITサロン | (2名) |
DABS21のメーリングリスト | (4名) |
※無回答 | (2名) |
Eその他(・当日ABSの人に聞いた・青葉区社協からの情報) |
○ | 期待した内容でしたか? | |
はい(12名) いいえ(2名) 無回答(5名) | ||
○ | 有意義だったことは? | |
* | 被害者遺族の生の声を聞けた事 | |
* | いろんな経験をした人がいる。助け合っていきたい。 | |
* | 人と支えたり、支えてもらったりして生きていきたいと思った。 | |
* | 様々なお話を聞いて胸が詰まる思いだったが、自身「力」とまた「想い」をもらった。 | |
* | これからの人生、心も持ち方がどんなに大切かと思った。 | |
* | 遺族の話を直接聞けた事。報道や誌面、本以上に心で捉える事が出来た。 | |
* | とても良かった。 | |
* | 悲しみのどん底から立ち上がる時の心の支えは?ということ。 | |
* | 事件の内容と家族の絆との別れ | |
* | 犯罪被害者の家族が深い悲しみの中からいかに立ちあがるか、本人の生の声を聞けたことは大変有意義だった。 | |
* | 家族等を亡くした人の話を聞くのは初めて。 | |
* | 朗読がとても良かった。悲しみや苦しみに真正面から立ち向かおうとし続けている姿勢に感動した。 | |
* | 夫を亡くして13年半。先生の話が自分が通ってきた心の動き、悩み、辛さと重なった。 | |
* | 辛い話しから逃げようと思っていたが、それだけでは(ない)ということが分かった。まだこれからの長い人生にいろいろなヒントをもらった。悲しみを経験した人の貴重な話だった。 | |
○ | その他、忌憚のない感想をお聞かせください。 | |
* | グリーフセラピーの講座とは知らなかった。入江杏さんの苦しみ、悲しみ、まだまだ解決できていない日常を感じた。とても悲しく、辛く感じた。 | |
* | 大変な悲しみの身内の出来事なのに、この体験を通して得られた事を良く整理して本日のような講演活動をしていることに敬服する。 | |
* | このところ、詰まっていた心が雪解け。残された人生(現在77才)有意義に | |
* | 犯罪を犯すのも「人」だが、支えてあげられることができるのも「人」なのだと感じた。 | |
* | 大変な中、良く立ち上がってこられたと思う。 | |
* | 人を支える、支えられる側の絆が理解できた。 | |
* | 話を聞くだけで助力できない場合、何もできないと思ってしまうが、聞くことの意義を評価できることがわかった。 | |
* | 時々、専門用語が混じるのが少しわかりずらかった。 |
* | 悲しみからの再生へのメッセージが印象に残った。 |
* | 助け合い |
* | 思春期の娘の悲しみに寄り添ってあげたい(友人関係や部活の事、先生の事) |
* | 「グリーフ・ケア」「グリーフ・セラピー」の存在を知り、ぜひ学んでいきたく思った。 寄り添い想いを感じながら話を聞けたことに感謝している。 |
* | 前向きに広い心? |
* | 自分も去年母を亡くしたことで、自分と家族の支え方。カウンセラーを目指しているので心にとめて大切な「力」にしていく。 |
* | 時々、立ち位置を変えてみるという言葉を自分の生活に取り入れたい。 |
* | 突然の悲報に接した時の心構えなど。 |
* | どんなに苦しいことに出会ってもそれを乗り越えていく為のヒントをもらった気がした。 |
* | 被害者の方のお話を聞くということの大切さを感じた。 |
* | 前を向く為の努力を(その方法はいろいろあると思う)、自分もしていきたい。 |
* | 悲しみには浸るだけ浸ってよい、泣いてもよいという事とすべて前向きに立ち向かっていく事。 |
* | 「人権問題」「女性問題」に関する講座。 しんすごうさんなど |
* | ハーグ条約(子ども奪取の項)加盟反対。 |
* | 「心のケア」のテーマの講演があったら。 |
昨日までの自分が恥ずかしく思った。 | |
天災は諦められても、人災はなかなか受け入れられない。自分もそう思う。それでも受け入れて生きていく人間の強さ、底にある力を思った。 |