♪こころのバリアフリーとユニバーサルデザインの街づくり♪

マップ制作フィールドワークに参加して
 車椅子、要杖、目の不自由なABS21のスタッフと共に青葉区周辺の街を対象に実施したフィールドワークは、20回以上。2002年度の参加者は、延べ70名。2003年度は実施回数6回。参加総人数:57名。障がいのあるスタッフ22名の内訳は、車椅子 9名、要杖 8名、視覚障がい 5名です。
 試行錯誤を重ねるうちに、作業の要領がよくなってきました。フィールドワーク終了後のスタッフ会議では、それぞれの障がいの視点で意見交換をし、ここならお奨めという店を選びます。そして、ABS推奨「誰にでも優しいお店」を、マップHTML化作業班手作りのマップ上で紹介しています。
 

 このマップは、2000年度より、ウェブページ「あおばバリアフリーサロン」 URL:http://www.ran.sakura.ne.jp/~abs21/ に掲載してまいりましたが、この度、関係各位のご協力を得て、このような冊子の形で活動の成果をお届けできるようになったことは、マップ制作グループスタッフ一同の喜びです。尚、音声認識対応ソフトを利用しているかたのために、テキスト版のページも用意しています。

仕切り線
 皆さんの努力で、このような素晴らしい成果となったことに、心からお慶び申し上げます。
 最初、フィールドワークに参加した時に、「わたしたちは、こっち側を行きますから、 あなたたちは、あっち側を行って下さい」と言って、視覚障がいの方から、「あっち、こっち、と 云われても、さっぱり分からないよ」と注意を頂いたのが、いまでも鮮明に脳裏にやきついています。
 HPを開くたびに、新しい情報を得て、感激しています。
<2001年度委員長 矢野あきら>
 僕が行った所の駅のそばの大型店はだいたい車椅子でも入り安くなって良かった。
 あざみ野駅とか藤が丘駅の小さい店は入りにくい所があった。
 駅の近くはけっこう良いけれど、歩道が狭かったり縁石が高かったりしている所が、 車椅子では歩きにくかった。
 マッブフィールドワーク以外で、藤が丘駅のそばのミスタードーナッツの様にスロープがあっても入り口のドアーが重たくてとても入りにくかった。
 だけど昔に比べたらずいぶんいろいろ良くなったと思った。
<剣木  成文>
 誰もが気軽に外出してショッピングを楽しんだり、お食事やお茶をいただきながら憩える町づくりができれば、と参加しました。
 素敵な外観に誘われてお店の入り口までいくと階段や段差があったりして、がっかりしたこともありました。でも、ハード面での不足部分をソフト面でカバーしている人たちと出会ったこと、フィールドワークのメンバーが町の中で新しい発見をして、共に外出の喜びを分かち合えたことなど嬉しいこともたくさんありました。
 時間的な制約から、このマップにはほんの一部のお店などしかご紹介できませんでしたが、さらに充実させて、私たちの町が誰にでもやさしい町になることを祈っております。 <齋藤一子>
 町を歩いて、段差の問題、エレベーターのボタンの位置や音声の問題など、普段気がつかないこともありましたよね。
 ホ-ムペ-ジを見ると、連絡先も書いてあるし、写真付で良かったと思いますよ。
 今回フィールドワークした所を友人に「こんな所にこんな店があってバリアフリ-になっているよ」と、紹介出来るので嬉しいです。
<あおしばなおこ>
 私は2002年1月24日に青葉台で行われたフィールドワークに参加しました。初めての参加だったので、具体的にどういうことをやるのかと思っていましたが、自分なりにとてもいい勉強になりました。私たち視覚障害者は、普段なかなかいろいろな店を巡回するということはしません(というより出来ません)ので、フィールドワークに参加して、本当によかったと思っています。
 また私は普段お店に行っても、音声がついているかとか、点字ブロックがどのように設置されているかなどということしか気にしていませんでした。今回、車椅子の人とも一緒に行動させていただき、店の出入口にスロープがないお店やトイレも狭いところが多く、車椅子ごとはいれるトイレが少なかったので、車椅子の人の不便さを改めて感じました。
 私はボランティアさんと一緒に参加しましたが、エレベーターに音声がついてないところが多くて残念でした。しかしいい体験をさせていただき有難うございました。また、次回も参加したいと思っています。
<YM>
 勝手知ったる我が家ならぬ「青葉台」と思っていましたが、今回のフィールドワークを通して、却って青葉台という地域を再認識させてもらいました。
 違法駐車、道路の不整備、店舗の段差が多く、車椅子利用などの障害者が利用したくても利用出来ない店舗が多く、バリアフリーへの関心も少なかったに違いないのです。
 今回の作業で、障害者対応の駐車場や点字ブロックの増設が確認されました。
さらに、各店舗の経営者の障害者への対応姿勢と意識が変化してきていることを感じ、とても嬉しい作業でした。
<岡島寛★★♪>
 田奈駅、江田駅、青葉台駅のフィールドワークに参加しました。短時間で回るので、いつもあわただしいような感じでした。店員さん達の多くは、障害に不慣れな感じが伝わってきました。
 私自身も多くのことを教えられ、良い経験をさせていただきました。
<C.kasao>

 各駅周辺には障害をもっている者も安心して利用できる大型店があります。
しかし、実際に町を歩いてみると、その他の店舗にも大型店にない良さもありました。
 今後もこのような店舗を追々補充し、高齢者や障害者の外出の際少しでもお役にたつようなものにしたいと思います。
<小山恭男>
 『フィールドワーク自体が普段あまり外出できない人々にとっての外出の機会なんだよ』と、事前の会議で聞かされていた言葉は、私にとって衝撃でした。
バリアフリー化が世に言われている現状がこれほどのものなのか、と思いました。
 でも、回ったお店の中には、『こういったマップってどこで得られるの?』と聞いてくださった方もいらっしゃいましたし、いいほうには変わっていっているんですよね。
参加させていただいて、大変いい経験になりました。
 これから、障害を持った方々がどんどん外出できる社会になって行くことを願って。
<肥田千里>

 今回、一番感じたことは、10数年前に住んでいた頃と比べると、青葉区周辺の街、駅、建物などのバリアフリー化がとても進んだなということでした。しかし、障害のあるかたがたにとっては、まだまだ満足のいくものでないこともよくわかりました。何が便利で、何が不都合であるかということも少しずつ理解できたように思います。
 数回の参加ではありましたが、普段一人では入ることのないお店、通り過ぎるだけの場所など、みなさまと一緒に見て、歩いて、また、新しい発見もありで、とても楽しかったです。
 下準備されたスタッフのみなさまのご苦労があったからこそと思います。
 みなさま、お疲れ様でございました。
<ながおともこ>
 フィールドワークに参加されたかたがたから上がってきた原稿・写真などを、如何に早く、正確にホームページ化するか。また、その気持ちをくみ取りどのように表現するか、技術が未熟でもあり悩むところでした。
 幸いにして、アクセスビリティーということを考えてみると、高度な言語を使う必要もなく、外面的なものでなく、その内容が問題なんだと、気分はいくらか楽になりました。
完成された作品を見直すと、反省点多く、特にまとめて制作せず、一件ごとに制作した関係で、 統一性に欠ける点は今後の大きな課題と考えています。
 このバリアフリーマップがこの地域のバリアフリー化に少しでも役立てば幸いです。また、IT・インターネット或いはパソコン操作と言ったバリアにお困りのかたがたのお手伝いもしますので、バリアフリー化に是非挑戦してみて下さい。
<HTML化担当 矢野睦男>
1、私は要杖で歩行が遅く、いつも後方尾を歩き、目的の店舗に着いた時には点検やインタビューが終わっていることもしばしばでしたが、この3年間『バリアフリーマップ制作グループ』の一員として活動し、各地域の見るもの一つ一つが地域の特徴を出していることがわかりました。ハード面では情報収集もしやすく伝え易いのですが、ソフト面ではわからない部分が多分にあり、お客としての目線で見てみるのも一つの方法だと思いました。

2、フィールドワーク予定当日に雨が降らないように、コーディネートした方の努力が無駄にならない様に、折角ご協力いただいた商店側が準備してくださったことが無駄にならない様にと、いつも天候を気にしながら当日を迎えてきました。安全に無事フィールドワークを終え、安堵した雰囲気でまとめのミーティングが出来、次回の予定が決って、「皆さん、次回もまた、お会いしましょう」という積み重ねが続いたから、このような結果が出たのでないでしょうか。

3、運営委員会で、マツプ担当にと代表に指名された時には、障がい当事者がどの様にグループのリーダーシップを発揮すれば良いのかわからず、不安の連続でした。しかし、グループの皆さんに助けられ、また、天候にも恵まれ、事業計画を消化することが出来ました。はじめてコーディネートした時は、病気になる前の現役の経験をまだまだ忘れていないことを確認させてもらいました。
<2002年度委員長/2003年度グループリーダー 栗木正壽>

 この地域に永年住んでいながら、街を歩いたことのなかったという方々が、この機会に街を見直してくれました。「外出が困難」というのは、物理的な問題だけではなかったようです。この地域が誰にでも優しい街になるようにと意図したフィールドワークを通して、街のかたがたとの交流も心温まるものになってきました。
 障がいを個性とみなし地域の一員として自然に社会参加できる街、そして、多様性を認める成熟した街になるよう「こころのバリアフリー」をめざしてこれからも活動して参りたいと思います。
 フィールドワーク中の私たちを街で見かけたら、是非、お声を掛けてください。
<ABS21代表三竹眞知子>


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